便潜血陽性とは
便潜血検査は、目視では確認できないくらいのわずかな血液の有無を調べる検査です。
便潜血検査で陽性であった場合、大腸もしくは肛門のいずれかで出血が起こっていることを意味します。
大腸がん、大腸ポリープなど様々な大腸の病気の早期発見に役立ちます。
便潜血検査と大腸がんについて
便潜血検査で陽性であった場合、2次検査として大腸カメラ検査が必要になります。
大腸カメラ検査では、大腸のほぼすべての粘膜を、内視鏡を通して直接観察することができます。
健康診断などでは、大腸がん検診として便潜血検査が行われています。しかし、大腸がんは必ず出血を伴うという病気ではありません。そのため、便潜血検査で陰性であっても、「大腸がん(や他の消化器疾患)がない」とは言い切れません。
実際に早期大腸がんでは4割程度しか出血しないので、半分以上の早期大腸がんは便潜血検査では見つけることができないということになります。
便潜血検査は、あくまでスクリーニング検査であり、大腸がんを必ず見つけられる検査ではないのです。便潜血検査で陰性であっても、より確実に大腸がんの有無を調べるためには、大腸カメラ検査が必要になります。大腸カメラ検査であれば、出血に有無に関係なく、大腸がんや大腸ポリープをはじめとする大腸の病変を早期に発見することができます。
陽性と陰性について
便潜血検査の陽性と陰性は、それぞれどのような意味があるのでしょうか。
改めてご説明いたします。
便潜血検査「陽性」
便に血が混じっており、口から肛門までの消化管のどこかで出血があったことを意味します。
ほとんどは痔によるものですが、30~40%の方に大腸ポリープが、3~4%の方に大腸がんが発見されます。また、もし大腸がんであった場合には、ある程度進行している可能性が高いと言えます。
前述のとおり、早期大腸がんではそもそも4割程度しか出血しないので、半分以上の早期大腸がんは便潜血検査では決して見つかることはありません。
便潜血検査で陽性であった場合には、必ず大腸カメラ検査を受けましょう。
便潜血検査「陰性」
検査上、便には出血が認められないことを指します。ただし、便に血が混じっていないというだけで、大腸をはじめとする消化管で出血がないということにはなりません。また、そもそも大腸がんや大腸ポリープが出血していないということも考えられます。
繰り返しとなりますが、便潜血検査で陰性であっても、「大腸がんや他の消化器疾患がない」ということにはなりません。
特に40歳以上の方は、陰性である場合も定期的に大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
便潜血の検査方法
便潜血検査では通常、1日1回採取した便を2日分提出します(2回法)。
便中の血液は時間の経過とともに残存率が低下していきます。そのため、正確な検査のためには、提出日を含めた3日間のうち、2日を利用して便を採取する方法が望ましいとされています。ただし女性の場合、生理期間中は避ける必要があります。
二次検査について
便潜血検査で陽性であった場合には、大腸もしくは肛門のいずれかから出血していることを意味します。
できるだけ早く、二次検査(精密検査)として大腸カメラ検査を受けましょう。
大腸カメラ検査であれば、出血している部位やその状態を、内視鏡で直接確認することができます。また、必要に応じて組織を採取して病理検査にかけたり、ポリープをその場で切除することも可能です。
当院では、鎮静剤を用いて苦痛なく受けられる大腸カメラ検査を行っています。初めて大腸カメラ検査を受けるという方、以前に受けた大腸カメラ検査が辛かったという方も、安心してご相談ください。